【臨床意義】
セア膜またはアガロースゲルによる電気泳動法において、血清中の蛋白は大きく5分画(アルブミン、α1、α2、β、γ)に
分離することができます。この血清蛋白分画は、血中の蛋白の動的平衡を反映しデンシトメトリーした際通常一定の波形
を保っているが、疾病など数々の要因(蛋白の合成、体内分布、崩壊、体外への漏出などの異常)により動的平衡が崩れ
ると様々な特徴的なパターンを形成します。血清蛋白分画は、様々な状態において表される特徴的なパターンから患者
の病態を推定することを目的としている検査です。
また、多発性骨髄腫等の形質細胞性腫瘍では、γ領域を中心にM蛋白と呼ばれる特徴的なバンドが出現する場合があ
ります。M蛋白は血清蛋白分画を端緒として発見されることが多く、M蛋白のスクリーニングとしても優れた検査です。 |
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【主要文献】
セルロースアセテート膜電気泳動による血清蛋白分画/河合 忠 青木 紀生著(宇宙堂八木書店)
症例から学ぶ血漿蛋白の見方・考え方/松田重三著(医歯薬出版)
血漿タンパク検査/河合忠・櫻林郁之介(医学書院)
血清タンパク分画をどう読むか -新しい把握の仕方- /井上隆智著(金芳堂)
異常値のでるメカニズム 第2版/河合忠・玄番昭夫・屋形稔編(医学書院) |
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デンシトメトリーパターンと
各分画中に含まれる主要蛋白→ |
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