【臨床意義】
アルカリフォスファターゼ(Alkaline phosphatase,ALP,EC3.1.3.1)は、アルカリ性領域でリン酸エステルを加水分解する酵素です。
生体内では腎臓、肝臓、骨、小腸、胎盤などの組織でALP活性が高いことが知られ、これらの組織の生成亢進や肝胆道系の排出障害などにより、血清中のALP活性は上昇します。
血清中のALPは電気泳動法により、肝由来、骨由来、胎盤由来、小腸由来、高分子ALP(ALP1:分子量300,000以上)に分離することができます。また、胎盤性ALPと類似した性質を示す腫瘍産生ALPの存在も明らかにされ、Regan 、Nagao アイソザイムが報告されています。その他に、免疫グロブリン または脂質 との結合例、原発性肝癌に見られるKasahara アイソザイムなどが報告されています。
 
【主要文献】
1)松下誠, 他. アガロースゲル電気泳動法によるALPアイソザイム分析の改良. 臨床病理 52 補冊, 232
  (2004).
2)Young D.S., et al. Clin Chem 21, 246D-248D(1975).
3)服部幸子, 他. ABO式血液型とLewis血液型別によるアルカリ性フォスファターゼ活性値とアイソザイム.
  医学検査 49, 397(2000).
4)星野忠, 他. 臨床検査における汎用電気泳動支持体を用いた小腸様ALPおよび血液型依存性高分子
  小腸ALPの泳動位置についての再評価. 生物物理化学 42, 161-167(1998).
 
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