【臨床意義】
免疫電気泳動法は、電気泳動法とゲル内免疫拡散法を組み合わせた、蛋白の検出方法である。M蛋白血症、免疫不全症などの免疫グロブリン異常症や、特定蛋白の欠損症の診断などに重要な検査です。特にM蛋白血症では、単一の形質細胞によって産生される蛋白(Monoclonal
protein、M蛋白)の沈降線が特有なM-bowを形成し、H鎖のクラスとL鎖の型を判定することができます。 |
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【特徴】
電気泳動法による分離とゲル内二重拡散法を組み合わせた定性、及び半定量的分析方法です。
免疫反応後の脱蛋白がプレス法では約60分と短時間で行えます。しかもバックグラウンドの脱色が良好です。 |
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【測定原理】
アガロースプレートを支持体として電気泳動を行い、試料中の蛋白を分離します。分離後、泳動方向と平行な溝に抗血清を注入します。アガロース中に試料(抗原)と抗血清(抗体)が拡散し、抗原抗体比が至適になったところに、円弧状の沈降線が形成されます。沈降線の位置は、抗原の量、拡散の速度(分子量に影響される)などによって決まります。生理食塩水でアガロースプレートを洗浄して、蛋白の拡散を停止し、未反応の蛋白を除去 します。次に免疫沈降物を染色し沈降線を観察します。 |
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【主要文献】
1)櫻林郁之介. 免疫電気泳動法.電気泳動法のすべて. 医歯薬出版株式会社, 126-130(1982).
2)金衡仁. 免疫電気泳動像の読み方. 電気泳動法のすべて. 医歯薬出版株式会社, 242-253(1982).
3)Lessard.F, et al. Light Chain Disease and Massive Proteinuria. Clin. Chem 31, 475-477(1985).
4)山口潜. 多発性骨髄腫とM蛋白血症. 臨床検査23, 909-916(1979).
5)大谷英樹, 河合忠. 免疫電気泳動法. 医学書院, 51(1977). |
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